• Chie Nishimura

【インタビュー2022.07】タコスの旅

以前の記事『「おいしい」は友を呼ぶ』でもご紹介した、逗子のアミーゴマーケットの店主井上園子さん(以下園ちゃん)がメキシコに行くと聞いたのが5月末。


1週間の滞在ではあったものの、メキシコの母達の家庭料理を直に学んできてインスピレーションをたっぷり受けて帰ってきたようです。


お店ではすでにこの夏の一押しメニューとして、手作りタコスがお目見えしています。

そんな帰国して間もない園ちゃんに、メキシコでの経験をインタビューさせていただきました。



(西村)メキシコ行きを決めたのは、息子さんがメキシコにいるから会いに行く旅だったのかなと思ったけど、メキシコ料理を習うことが目的だったの?


(園ちゃん)そう、みんなにも言われるのだけど本当に料理を習いたくて行くことを決めたの。息子にはついでに会いに行くかという感じ。

アミーゴマーケットの夏の看板メニューを考えていたら、タコスがいいなって。

夏は海岸に持っていけるようなランチメニューがいいなと思っていたのだけど、今年おむすび屋をオープンさせたところだし(逗子葉山常備菜研究所「お結び処」)、サンドイッチは夏のイメージじゃないなと。

でもタコスをやるなら、本場のタコスをちゃんと食べてから作りたかったから、メニュー開発目的でメキシコへ行こうと決めたの。



(西村)そういう経緯だったのか!でも息子さんのブン太くんは今メキシコに留学してたよね?会えたの?


(園ちゃん)そう。高校卒業後留学を希望して、スペイン語を学びたかったグアテマラを勧められ、自分で調べて日本人がやってるスペイン語学校へ入学したんだよね(3年半前)。メキシコに旦那さんの親戚がいたこともありスペイン語を学んだ後メキシコの大学を受験して入ったの。今はランドスケープを学んでいます。

これまでブン太が日本に戻ってくることはあったけど、私も夫も向こうに行くことはなかったから今回が初めで。

ブン太がメキシコにいるから連絡をとって、タコスを教えてくれる人を探してもらったの。

あちらでも色々案内してくれたり、人を繋いでくれました。




(西村)自分で道を切り開いて...ブン太くん立派だね!やっぱり早く親元を離れると自然と自立するものだね。ちなみに今回はブン太くんの周りに、お料理する人がいたのかな?



(園ちゃん)知り合いのおばあちゃんにお願いしてもらっていたの。到着したら張り切って準備していて、3種類のタコスと煮込み料理をすぐに教えてくれた。

おばあちゃんを筆頭に5−6人の子供たちと住んでいるのだけど、そういう地元のお家の中で教えてもらったよ。




(西村)タコスは定番の家庭料理なの?


(園ちゃん)そうだね、タコスや煮込み料理が家庭料理。

朝ご飯もタコスを食べてたな。

冒頭の写真にあるタコス置きというものは、ちゃんとしたレストランに行かないとないようなもので。

最初にタコスの皮に具材を載せてお皿に置いてあるのをそれぞれが取って食べて、そのあとは各自で自分で好きなものをのせて挟んで食べる。

昔はタコスの生地から作っていたけど、やはり手間がかかるから今はもう買ってくるものになっているみたい。

だからタコスの上にのせるものを日々作っている感じ。





(西村)日本でいうおむすびみたいなものなのか!? おばあちゃんに市場にも連れて行ってもらったみたいだけど、どうだった?



(園ちゃん)市場はディズニーシーとランドを合わせたほどの大きさなの!築地のように業者向けでもあるけど、一般の人が日常の買い物にも来るところ。

生鮮品も並ぶけど、キャベツだけで倉庫一つとかの広さ!


タコスに使うスパイスもオリジナルの調合で販売していて、おばあちゃんが「ここが一番良いよ

」と教えてくれたスパイスミックスを今回自分のお店で使おうとたくさん買ってきたの。


サルサソースも挟むものによって変えるのだけど、唐辛子の種類を変えたり、スパイスを変えたり。そのソース作りがなかなか日本の食材で作れなかったりするの。




(西村)へえ!スパイスの配合も店によって違うということなんだね。メキシコの人たちは市場の野菜をどうやって食べるのが多いのかな?


(園ちゃん)メキシコの人は生野菜はあまり食べず、マリネや煮込みで食べているよね。

あとはフルーツをたくさん食べる。マンゴーやパイナップルといった、南国のフルーツがたくさんやすくあるから、ジュース屋さんも屋台でたくさ出てるしね。 

パイナップルを皮ごと一つぎゅーっと潰してフレッシュジュース¥60くらいだった!


パイナップルジュースは皮ごと潰す!街中にぺったんこになったパイナップルがあったのだそう。

(西村)それは最高だ!やっぱりそれぞれの国や地域の特色が食には現れて楽しいよね。

そのちゃんはメキシコ料理を習おうと思った時に、レストランで教えてもらうのではなく、家庭料理がよかったのは、なぜなの?



(園ちゃん)家庭料理って、料理の作り方は全世界共通で、おばあちゃん、お母さんは経験値で決まってるんだよね。

その鍋を使ってるから身に染み付いている塩梅がある。

だから、例えば日本ではこのくらいの火加減でやるけど同じなんだな、とか共通点を探してしまうように、女性たちの生活の知恵となっているような気がするよ。


一家に一つはあるという火山石の石臼。調理道具もその国々で違うから面白い。

(西村)日々食べる暮らしに寄り添う食に興味があるということだね。それはつまり、文化だよね。



(園ちゃん)そうそう!家庭料理は再現性も高いし、どんな生活が背景にあるかを垣間見るのも面白い。

次はスローフードの祭典のある9月のイタリアで、マンマの家庭料理を習えたらいいなあと思ってる!

そしてお店に来てくれる方たちに、各国の家庭料理を通して楽しいを味わてほしいなと思います。


帰国した園ちゃんにタコスを作ってもらいましたが、マグロやパッションフルーツを使うなど早速アレンジバージョンの具材で絶品の味わいでした。

家庭料理の背景には、その国の文化や伝統、人の暮らしがあり、そして日々の暮らしをうまくやりくりするための知恵が詰まっている。

だから料理というものは味の数値だけで判断するものではなく、奥深いものなのだよなあ、と改めて思わせてもらいました。

園ちゃんが吸収してきたメキシコの母たちのエッセンスは、三浦半島の食材を使って彼女流の美味しい一皿に消化しています。

ぜひ逗子のお店に足を運んでメキシコの風を味わってみてくださいね。


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