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出張料理人 千葉雅史さん×店主赤野 三浦半島食材で男子ごはん



今回は初の試み、この人の作る料理を食べてみたいという店主赤野の個人的な希望で、出張料理人の千葉雅史さんをお招きしてRing the Bell HAYAMA的男子ごはんを開催してみました。

ふだんは埼玉や都内近郊に出張することの多い千葉さんに葉山までお越しいただき、赤野が事前に仕入れた三浦半島の食材を使って料理をしていただきます。


男2人で料理や食材、うつわについて語り合う、いつものIDEAとはちょっと違った雰囲気をお楽しみください。


出張料理人 千葉雅史さん、葉山へ



赤野

本日は、はるばる葉山までお越しいただきありがとうございます。

皆さんへの自己紹介も兼ねて、千葉さんご自身のことについて聞かせてください。

出張料理をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?


千葉

以前は飲食店で雇われシェフをしていました。

独立も考えたのですがメリットを感じず、かといって雇われでやっているのは違うなと、悶々とした30代前半を送っていました。


その頃友だちを呼んで料理を振る舞う機会が何度かあり、思った以上に喜んでくれたんです。

これは仕事にできるかもしれないなと、知り合いのホームパーティーなどで料理を提供するようになりました。

ペットがいたり、小さいお子さんがいたり、お店を利用するのが難しい方々からのご依頼が多かったです。

企業さまの会食やパーティーにも定期的に呼んでいただけるようになり、仕事として安定してきたタイミングで独立しました。


その直後くらいにコロナで仕事が一切なくなってしまって……

どうにかしないと思っていたところ、出張料理のマッチングサイトができたんです。

さっそく登録すると、一般の方からご依頼いただけるようになりました。


赤野

どんな場に出向くことが多いのですか?


千葉

最初の頃は個人宅での誕生日とかホームパーティーなど。

コロナが落ちついている時期は企業さまからの案件も多いです。

チリポークのプロモーションビデオで料理を作るなど、出張料理以外のユニークな仕事も増えています。


出張料理人にもいろいろなタイプがあると思うのですが、僕の場合はできる限りお客さまのご要望に合わせるというスタイル。

お寿司を極めたいわけでも、イタリアンを極めたいわけでもなく、出張料理人を極めようと思ってやっています。



葉山食材で作る新感覚イタリアン


アンティパストミスト

赤野

今日作っていただいたメニューの紹介をお願いします。


千葉

「新感覚イタリアン」と言っているのですが、和の味付けや和の食材を取り入れたイタリアンのコースになります。

前菜、魚、肉、パスタ、デザートの5皿のコースで、今日は僕の紹介も兼ねて、好き嫌いのあまりない比較的スタンダードな食材を使い、出張料理でよく作る料理を中心に構成しています。

コースといっても堅苦しいものではなく、ワイワイとお箸で召し上がっていただけるようなメニューです。


<メニュー>


●アンティパストミスト(佐島の朝どれアジの和風カルパッチョ/冷たいカボチャのポタージュ/タコのスモークオイル和え/道明寺生麩と蓮根の田楽/川俣シャモの肉味噌と生ハムのブルスケッタ)

「アジはご用意いただいたもの。生麩は出張料理の名物です」


●佐島の活ハナダイのムニエルとグリル野菜のトリュフソース仕立て

「ハナダイと葉山の野菜を使い、和風の味付けで」


●豚肉とナスのトマトラグー

「鰹出汁を加えることで後味さっぱりと、箸でほぐれるほど柔らかく煮込んでいます」

●イクラとタラコの和風パスタ

「大葉を添えて、素材を活かしたシンプルな一皿に」

●ティラミスもなか

「ティラミスとホイップクリームと自家製テリーヌショコラを挟んで、もなかのように召し上がっていただきます」

赤野

今回のように食材ありきでレシピを考えることはありますか?


千葉

基本的にはメニューをあらかじめ決めてから食材を集めますが、お客さまの方で食材を用意してくれる場合もあります。

常連のお客さまで釣りが好きな方がいて、いい魚が釣れるとお呼びがかかるので、その魚を使って何品か作ったりもします。





赤野

食材はどこで仕入れることが多いですか?


千葉

魚に関しては、人数が多い場合は豊洲市場のなじみのお店に注文することが多いです。

昔焼肉屋の料理長をしていたご縁で、肉は当時からお付き合いのある業者さんから仕入れています。


メインが魚や肉ということもあり、野菜に関してはそこまでこだわれていません。

送料などコストを考慮しても、どこどこ農園のものを取り寄せてということまでは難しいですし、スーパーでも道の駅で購入するのと同じくらいの品質のものが手に入ります。


佐島の活ハナダイのムニエルとグリル野菜のトリュフソース仕立て

赤野

今日ご用意させていただいたハナダイとアジ、葉山野菜は、料理してみていかがでしたか?


千葉

とくに魚は良いですね。

アジもハナダイも新鮮でおいしいことが、触ってみた感じでもわかりました。

葉山情報は赤野さんから教えてもらうことが多いので、葉山=新鮮な野菜というイメージをもっています。


赤野

漁港も近く、山側に向かえば農家さんもいるので、食材へのアクセスが良い点は葉山の魅力。

鮮度に関してはとびきりのものが手に入ります。


千葉

魚は差が出ますよね。

一般の方でも買えるマニアックな魚屋さんが都内にもいくつかありますが、そこでおいしいと言われて購入した魚に比べても、今回用意してもらったアジやハナダイは上だと感じました。

漁港が近いと、鮮度も高くおいしい魚に出会いやすいですよね。

通常の卸しだと店頭に並ぶのが絞めてから2日目とかなので、そのタイムラグは味に出ます。


赤野

葉山の魚屋さんは、お店の方が「今日入ってきたこの魚がいいよ!」って言ってくれたりするんです。

お店の人との率直なやりとりも、おいしい食材に出会う秘訣かもしれません。



料理男子を目指すなら?


豚肉とナスのトマトラグー

赤野

千葉さんはご家庭でも料理をしますか?


千葉

うちの食卓に並ぶのは、ほぼほぼ、試作で作った料理かアンバサダー関係の撮影のための料理か、です。


また、2名様の寿司コースなどは小さめのサクを選んでもネタが余るので、家で作るなら海鮮丼や漬け丼など寿司ネタを使ったメニューが多いです。


赤野

それは羨ましいです。

料理をする男性が増えていますが、一歩が踏み出せない方も多い印象です。

男性におすすめの料理はありますか?

まったく料理をしたことがない人は何から始めるといいのでしょう。


千葉

パスタは失敗しにくいのでおすすめです。

最初は、とにかく成功することが大事。

パスタソースを買ってきて、アルデンテに茹でたパスタにからめて、お皿に持ってパセリを散らすだけでもオッケー。

茹でてフライパンで混ぜただけですが料理した感を味わえますし、見た目もおしゃれでおいしいものができたという成功体験になります。

そしたら次は市販のソースを使わないでペペロンチーノを作ってみよう、とか少しずつグレードを上げていくといいと思います。


イクラとタラコの和風パスタ

赤野

失敗体験といえば、僕の周りでも多いのが蕎麦打ちですね。

全然できなくて、1回やってやめるっていう……


千葉

蕎麦打ち、僕も1年くらい前毎日のようにやっていました。

3、4回目くらいでやっとつながったというくらい。難しいんですよね。


赤野

では蕎麦はおすすめじゃないということで 笑


千葉

そうですね。

うどんは簡単なので、おすすめです。


赤野

千葉さんにとって、料理の魅力はどんなところですか?


千葉

正解がないところです。

「美味しいだけじゃない、感動・驚き・癒しをお届けする出張料理人」というのをテーマにしているのですが、お金をいただいているのでおいしいのは当たり前で、それ以上のことを提供したいと思っています。

誰にどう食べてもらいたいか、その場その時のお客さまに僕なりの最大限のおもてなしを考えて、実際に喜んでもらえた時はいちばんやりがいを感じます。



うつわは自由に楽しむもの

ティラミスもなか

赤野

今日はRing the Bell HAYAMAで実際に販売しているうつわを使っていただきました。

スレートは石材屋さんが余った天然石を使って作っていたり、パスタプレートは製造工程で破棄される土を再利用したものだったり、サステナブルなストーリーを持つうつわを扱っています。

使ってみていかがでしたか?


千葉

何も言われなければ気が付かないくらい、通常のお皿と変わらないなと思いました。

今日用意してもらったうつわの中では特に、ティラミスを盛り付けた「石の暮らしスレート」が好みでした。

イタリアンなのでお客さまも白いお皿を用意してくれていることが多いのですが、僕自身は和食器にイタリアンを盛り付けるのが好きだったりしますし、寿司に洋テイストのお皿を使うことも多いです。

うつわ選びは自由に楽しんでいいと思います。


赤野

うつわを購入する際に気にするポイントなどはありますか?


千葉

先ほどもお話しに出たように、和を意識すること。割れる可能性もあるので1枚1,000円〜2,000円くらいの高価すぎないものを探すようにしています。


出張料理では基本的にお客様の手持ちのお皿を使わせてもらうのですが、オプションでコースのお皿のご用意も承っているので、いつでも対応できるように寿司とイタリアン全コースに対応できる4名分のお皿は用意しています。


赤野

割れる可能性を考慮するというのは、移動が多い出張料理ならではのうつわ選びのポイントかもしれないですね。


こういった試みはRing the Bell HAYAMAとしては初めてだったのですが、いかがでしたか?


千葉

撮影はあるものの、ふだんとそれほど変わらない感じで楽しめました。

スタンダードな出張料理をご体験いただけたと思います。


赤野

今回の企画を発展させたような、地元食材を使った料理をイベントなどで作ってもらうことも可能ですか?


千葉

そうですね。

農家さんにご協力いただいて、仕込みから現地で行い、料理を仕上げることもできます。

前持って仕込みができないので、ふだん作っているような凝ったメニューではなく、バーニャカウダや野菜のサラダなどシンプルな料理になるのかなと思います。


赤野

ぜひやってみたいですね!

本日はありがとうございました。



Shokulabo Ottimo

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