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【インタビュー|2022.01.18】暮らしを凛と洗練させる天然石のプレート。 石の暮らし 大島健太郎さん



天然岩石から作られるテーブルウェア「石の暮らし」。

どこか海外のレストランやカフェを思わせるスタイリッシュな佇まいは、石の自然な風合いを活かして一枚一枚ていねいな手作業で仕上げられています。


クリエイターの大島健太郎さんは、日本三大石材産地の一つ愛知県岡崎市にある大正13年創業の石屋さんの4代目。

本職で余ってしまう石を再利用できないかと、「石の暮らし」をテーマに製作をしています。

うつわ作りをはじめたきっかけや身近なようで知らないことも多い石産業について、うかがいました。



余ってしまう石をテーブルウェアとして再生



— 本業の石屋さんについて教えてください。


4代目を務める石屋大島組は、約50件の石屋が集まる岡崎石工団地内にあり、壁や床、キッチンカウンターなど住宅関係の石工事を中心に請け負っています。

墓石、住宅関係、神社仏閣など、団地内の石屋それぞれが専門とする分野を持ち、団地内で自然と分業しているような形。

皆で切磋琢磨しながら石の街を盛り上げています。


また愛知県岡崎市は、良質な御影石が採れる日本三大石材産地の一つ。

岡崎城に御影石を使用したことからはじまり、その後城下町に石や堀を築くために和泉から石職人を呼び寄せたことで石工業が発展したといわれています。


— どんなきっかけで「石の暮らし」をはじめたのですか?


住宅などに使う石は念のため少し多めに注文するため、どうしても余ってしまうんです。

溜まっていく石たちを見てもったいないなと思っていた時に、石のプレートに料理が盛られた写真をSNSなどで見かけることが多くなり、うちで余っている石でも作れるかもしれないなと。

本業で使っている道具や技術を活かして、使いやすい形や大きさなど試行錯誤しながら作ってみたのがはじまり。

ハンドメイドのショッピングサイトで販売するようになり、おかげさまでご好評いただけたアイテムが残って今のラインナップになりました。



天然の美しさをそのまま活かすように



— どのように加工しているのですか?


プレートに使っているのは、玄昌石(げんしょうせき)という種類。

泥岩が層状に堆積して固まった石で、層にそって薄く剥ぐことができるため、壁や玄関の床などによく使われます。

剥がれる際に生まれた自然な風合いやもともとの模様もきれいなので、僕自身も好きな石の一つ。

加工がしやすく、素のままでも美しいので、この石で何か作りたいなと以前から思っていました。


作るといっても、使いやすいようにほんの少し手を加えるような感覚。

専用の機械で形を切り出し、角を磨いて面取りをし、表面に油を塗って仕上げています。

一つひとつの表情を確認しながら、石らしい風合いを活かすように心がけています。


— 石はどんな場所で採れるのですか?


石は世界各国で採ることができる天然の素材。

その土地土地で採れる石や人気のある石が異なるのも面白かったりします。

例えば日本では高級なイメージの大理石ですが、一大産地であるヨーロッパではもっと一般的でなじみのある建材。

外国には日本では見かけないようなカラフルな石も多く、見ていて楽しいです。


ちなみにプレートに使っている玄昌石はポルトガル産やブラジル産のもの。

遠くの大地にあった石が、めぐりめぐって皆さんの日常に溶け込む姿を思うと不思議な気持ちになります。



石をもっと暮らしの中へ



— 余った石は、通常どう処理しているのでしょうか?


余った石は、粉々にして砕石として処理されるのが通例です。

コンクリートの原料になったり、砂利として敷き詰めたり、多くは再利用されるのでまったく無駄ということではないのですが、もともと価値のある石なのでもったいない気はします。

また、砕石処理にかかる費用も問題になっています。


余った石を他の現場でも使えたら良いのですが…… 同じ種類でも色や模様が微妙に違ってしまうため、使える機会はかなり限られます。

プレートに加工することも一つの解決策ですが、石の価値を損なわない形で再利用する方法は今後も模索したいですね。


— 石を扱うお仕事への想いとは?


石屋の仕事も石の暮らしの製作も、毎回同じことはないところが面白いなと思います。

墓石を建てる日もあればキッチンカウンターを作る日があったり、使う石もさまざま、と石屋の仕事はいってみれば毎回初めての現場という感じ。

石の暮らしに関しては、作る形や使用する石の種類は決まっていますが、石の持つ表情によってプレート一枚一枚趣が異なります。


皆さんの家の中を見渡すと、木の食器や雑貨、家具はあっても、残念ながら石製のものって少ないですよね。

でも石は、木と同じくらい私たちにとって身近な素材。

個性的で美しく、暮らしを豊かにしてくれる可能性を秘めていると思っています。

石の暮らしが、天然石の魅力を少しでも知ってもらうきっかけになれたら嬉しいです。



1月31日(月)「アンクルート葉山」の大町シェフをゲストにお招きするRing the Bell HAYAMAのライブ配信にも、石の暮らしのプレートが登場します。

ご家庭でも楽しめるパテのレシピをデモンストレーションしていただく、お料理教室スタイルでの配信。

普段お店でもプレートを使っているというシェフに、盛り付け方のコツなども教えていだだきます。


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