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  • 執筆者の写真Ryuzo Akano

うつわは気づきの旅の出発点






葉山のお隣、横須賀の佐島にある鮮魚店に通い始めてもう7年になります。


業者さんの出入りが多く、最初は店内に入るのも恐る恐るでした。


このお店のおかげで僕は包丁の扱いを覚え、魚を捌けるようになり、寿司の握り方を学び、ついには葉山で外国人向けの寿司教室をはじめました。


魚を捌くようになってからというもの、スーパーで切り身の魚を買うことはめっきり減りました。


魚屋さんのほうが鮮度がよさそうだから、とか、そういう理由ではなく、自分が食べる魚とのコミュニケーションを未加工の状態からとりたいからです。


魚の目をしっかりみて、丁寧に調理する。そしてうつわに盛り付けたら食卓に運び、皆でその命をいただく。


うつわがその命をリスペクトし、しっかりと受け止めてくれる。


そして、僕の記憶にその体験が焼き付けられる。


不思議とそうやって丁寧にコミュニケーションをとった食卓のことは、あとになってもよく覚えているのです。


旅の仲間との思い出、というのに近い感覚でしょうか。一緒にストーリーを描いている感覚。


スーパーの切り身ではなかなかそうはならないのです。食品トレイに乗せられたモノ、という感覚。


3年前より葉山の無農薬栽培の農園に足を運ぶようになり、そして、三浦半島の農家・農業生産者の方々とのご縁が生まれました。


そこにはまた、キャベツ一個、いちご一粒に込められたストーリーがありました。


そして、個々の食材に込められたストーリーをまとめる役割を担うのがうつわですね。


食材をまとめ上げるうつわにはどんなストーリーがあるのだろう、と考えました。


2年前、鎌倉で開催された陶芸教室に参加しました。


ものづくりへの思いに触れたその体験はしっかりと記憶に残っています。


そして...一つの考えが頭をよぎりました。


これらのストーリーは豊かで健全な海、畑、土壌があるからこそ生まれたんじゃないか、と。


少しづつ調べるうち、これまで自分がサステナブルと一切無縁だと思っていた行動は、無意識ではあるものの、しっかりと結びついていたのです。


昨年、更にその気づきが僕をアメリカ・カリフォルニアの地に旅立たせてくれました。


包丁一本、うつわ一つから生まれる持続可能な暮らしへの意識や行動。変化する価値観。


未来のために語るべき、そして生み出すべきストーリーがあります。






うつわは食材にとって命の旅の終着点。



うつわは人々にとって気づきの旅の出発点。






誰でもその一歩を踏み出せるきっかけとなるようなお店になれたらうれしいです。






ようこそ、Ring the Bell HAYAMAへ。




Ring the Bell HAYAMA

店主 赤野 隆三



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